特別編「SC-88PROのインサーションを使いこなせ!」 for レコンポーザ


テクニックを教える前にインサーションの設定の仕方を教えてという声が多いので番外編として作りました。
今回は作曲ソフトのレコンポーザを使った簡単に設定できる方法をお教えします。
SC-88Proの説明書を使って説明するので用意しておいてください。
(DOS版レコンポーザ対応のためレコポ95の音源コントローラーは使ってません)

■Distosionの設定■

まず例として簡単にインサーションNo.6「Distosion」の設定をやってみましょう。

説明書のp.59を見てください。
エフェクト名 設定コード 説明
6:Distosion(ディストーション) [01H,11H] 激しい歪みが発生するのでヘヴィーメタルなどでよく使われます
パラメータ 読み方 設定コード 説明
+Drive ドライブ 0-127 [1] 音の歪み具合を調整します。上げるほど歪みヘヴィーな音になります。
Amp Type アンプシミュレータータイプ Small/BltIn/2-Stk/3-Stk [2] ギターアンプの種類を変えます。歪み方そのものが変わります。
Amp Sw アンプスイッチ Off/On [3] アンプシミュレーターを使用するか決めます。
Low Gain ロー・ゲイン -12 - +12 [17] 低域のゲインを調整します。(イコライザーみたいなものです)
Hi Gain ハイ・ゲイン -12 - +12 [18] 高域のゲインを調整します。(上げるとカラっとした音になります)
#Pan アウトプット・パン L63 - 0 - R63 [19] 音の定位を調整します。
Level アウトプット・レベル 0-127 [20] 出力音量(ボリューム)を調整します。

というような項目がありますね。
重要なのは設定コードです。エクスクルーシブを送るときに使用します。

次にどこのアドレスにエクスクルーシブを送ればよいか説明します。
説明書のp.196を見てください。
アドレス(H) サイズ(H) データ(H) パラメータ
40 03 00 00 00 02 00-7F EFX TYPE[Pro]
40 03 01# - - -
40 03 03 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER1[Pro]
40 03 04 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER2[Pro]
40 03 05 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER3[Pro]
40 03 06 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER4[Pro]
40 03 07 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER5[Pro]
40 03 08 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER6[Pro]
40 03 09 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER7[Pro]
40 03 0A 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER8[Pro]
40 03 0B 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER9[Pro]
40 03 0C 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER10[Pro]
40 03 0D 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER11[Pro]
40 03 0E 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER12[Pro]
40 03 0F 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER13[Pro]
40 03 10 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER14[Pro]
40 03 11 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER15[Pro]
40 03 12 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER16[Pro]
40 03 13 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER17[Pro]
40 03 14 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER18[Pro]
40 03 15 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER19[Pro]
40 03 16 00 00 01 00-7F EFX PARAMETER20[Pro]
その他のEFX関係設定項目
40 03 17 00 00 01 00-7F EFX SEND LEVEL TO REVERB[Pro]
40 03 18 00 00 01 00-7F EFX SEND LEVEL TO CHORUS[Pro]
40 03 19 00 00 01 00-7F EFX SEND LEVEL TO DELAY[Pro]
40 03 1B 00 00 01 00-7F EFX CONTROL SOURCE1[Pro]
40 03 1C 00 00 01 00-7F EFX CONTROL DEPTH1[Pro]
40 03 1D 00 00 01 00-7F EFX EFX CONTROL SOURCE2[Pro]
40 03 1E 00 00 01 00-7F EFX CONTROL DEPTH2[Pro]
40 03 1F 00 00 01 00-7F EFX SEND EQ SWITCH[Pro]

長いですが説明します。
まず「EFX TYPE」ですがここでインサーションエフェクトの種類を決めます。
でいったいどういう値を入れればいいのかというと先ほど説明した「設定コード」を入力します。
「6:Distosion」の設定コードは[01h,11h]ですからこれをエクスクルーシブを使ってアドレス[40 03 00]に送ります。
レコンポーザの特性上データのサイズが2以上のエクスクルーシブは簡単に入力できないので普通に入力します。

これを入力してください。([SHIFT + \]でエクスクルーシブ入力画面になります)
F0 41 10 42 12 40 03 00 01 11 2B F7
太文字がアドレスで赤文字が先ほどの設定コードです。 青文字はチェックサムなので設定コードを変えると計算し直さなければいけません。
チェックサムの詳細は省きますが説明書のp.208に計算方が書いてあります。


次にEFX PARAMETER?ですがこの?の部分の数字が先ほどのパラメーターの設定コードと対応してます。
例えば+Drive値を変更したい場合は設定コードが[1]なので変更する場所はEFX PARAMETER1になります。
他も同様なので変えたいパラメータがあればそこのアドレスにエクスクルーシブを送ればいいことになります。

今回はサイズが1なので簡単な入力方法を説明します。
まず入力するところまでカーソルを持っていき[/]を押してスペシャルコントローラを表示させます。
次にその中の「エクスクルーシブ1」の中から[Roland Dev# Model ID(2) : RolDev#]を選択します。
同様に[Roland Base ADD(0) : RolBase]と[Roland PARAMETER(1) : RolPara]を選んでください。
これで3つのコマンドが入力されている状態になります。

次のようになります。
RolDev# 16 0
RolBase 64 0
RolPara 0 0

しかしこのままでは先ほどのアドレスにデータを送れないので値を変更します。
まずRolDev#ですがこれは音源のデバイスID(通常は42Hで固定)を入力すればいいので42H(16進数)を10進数に変換すると66になるので
RolDev# 16 66とします。(これは先頭に1つだけ入力しておけばよいので次以降はRolBaseとRolParaだけでいいです)

(補足:数字の後にHが付いてるのは16進数の意味です今回の簡単な入力方を使う場合は10進数で入力する必要があるので 変換する必要があります。説明書のp.207の変換表などを使って変換してください。)

次のRolBaseとRolParaは2つセットで使います。

RolBase [AD1] [AD2]
RolPara [AD3] [DATA]


[AD1 - 3]には先ほどの表のアドレスの値を入れます。
[DATA]は変更したいパラメータの値を入れます。

目的は[+Drive]値の変更なのでEFX PARAMETER1のアドレス[40h 03h 03h]を[AD1 AD2 AD3]の順で入力します。
例によって16進数なので10進数に変換します。すると[64 03 03]となります。
[DATA]はとりあえず今はなんでもいいので[+Drive]値をMAXの127にしときましょう。

するとこうなります。

RolBase 64 03
RolPara 03 127


これを実行(再生)すると値が変わるはずです。音源にパネルがあれば確認して見てください。


ここまで来た人ならわかるかもしれませんがインサーションエフェクトを設定しただけでは音が全然変わっていない ことに気づくはずです。
これはインサーションエフェクトをかけるパートを設定してないからです。
それはここで変更します。(説明書p.199です)
アドレス(H) サイズ(H) データ(H) パラメータ
40 4x 22 00 00 01 00-01 PART EFX ASSIGN[Pro]
*アドレスに[x]とありますがここにはパートナンバーが入ります。
xとパートの対応表(xは16進数表記)
x=0 Part10(Drum)
x=1 Part1
x=2 Part2
x=3 Part3
x=4 Part4
x=5 Part5
x=6 Part6
x=7 Part7
x=8 Part8
x=9 Part9
x=a Part11
x=b Part12
x=c Part13
x=d Part14
x=e Part15
x=f Part16

ここまでくれば後は自分で設定できると思いますが一応説明します。(できるなら自分でやってマスターしておいてください)
例えばPart4にインサーションをかける様に設定する場合はx=4なのでアドレスは[40h 44h 22h]となります。
そして10進数に変換し[64 68 34]となるので先ほどの簡単な入力方でやります。
[DATA]は0がEFX offで1でEFX Onとなります。

RolDev# 16 66(一回入力してある場合はいりません)
RolBase 64 68
RolPara 34 1


これでPart4にディストーションばりばりのギターの音を出せるようになります。

以上で説明を終了します。
サンプルとしてRCP形式のファイルを付けます。(EFX SAMPLE)

・便利な技としては今回作ったEFXの設定をパートセーブを使って保存しておき他の曲で使うときにパートロードを 使って呼び出せば余計な手間が省け簡単にEFXを使うことが出来ます。
・もうひとつはRolBaseの値が前入力した時と同じ値なら省略することが出来ます。

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